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Item / Pottery

Terre de fer “Cafe au lait bowl”

 

白釉、テールドフェールのカフェオレボウルの紹介です。

南仏のちいさな村、馴染みのディーラーのメゾンで、1950年代に畳まれた陶器屋からの出物という器々を見せてもらいました。聞けば訪問直前、パリ近郊からカミオン3台で運ばれてきたばかりとのこと。数年に一度あるかないかというような幸運に恵まれ、好みで珍しい白釉の品を厳選することができました。

乳白色のやわらかな施釉と均衡の整ったプロポーション。シンプルな全体と、さりげなく添えられた高台の一本ラインの装飾の色気。素敵なバランスです。

カフェオレやチャイを注いでいただくことはもちろんですが、皿使いもおすすめです。見込みを余白として、中心部分に料理を盛り付けていただくと、少量の前菜や副菜でも存在感が生まれ、テーブルコーディネートのアクセントとなります。

 

 

Terre de fer (テールドフェール)

技術的・技法的というよりは、商用的な言葉としての側面のほうが強いため語義は多岐にわたり、厳密な定義付けをすることは難しいですが、1800年代初期までの繊細なファイアンスフィーヌ陶器の少量生産を経て、1800年代半ば以降に台頭する市民社会に向けて量産されるようになった、より実用的で磁器質の強い陶器(半陶半磁器)のことを指してフランス語では「テールドフェール」と呼びます。

それ以前の陶器に比べると、主原料である粘土に磁器生産に使われるカオリンや長石がより多く加えられ、釉薬はホウ砂が主原料となっています。

生産者の手跡が残る不均一な施釉や石膏型の寸法差異、或いは経年による貫入。そうした古い陶器ならではの不安定さと、ある程度量産化が整備された時代の陶器ならではの実直さの双方が同居した、過渡期的な均衡は、今の暮らしに溶け込んだときに、無理のない心地よさを生んでくれるように思います。

クレイユエモントロー、ショワジールロワ、ジアン、サルグミンヌ等々。当時のフランスにおける陶器製造の中心にいた様々な陶磁器窯で、多様なテールドフェール陶器が作られました。

 

 


 

<Shopping Information>

サイズ: φ14.3 × H8.2cm
状態: デッドストック。割れ欠けはなく、古陶器としてごく良好な状態です。

 

(ご売約済)

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