menu

Items / Pottery

English Creamware Octogonal Plate

 

イギリス、スタッフォードシャー。18世紀後期のクリームウェアです。

19世紀初頭頃、菱形のレリーフ装飾を低温焼成で仕上げたオクトゴナルを国という規模で作陶し愛好したのは、ご存じのとおりフランスですが、そのスタイルを最初に生み出し仕上げたのは(あまり知られていませんが)イギリスです。

数多ある中から、そこにこそ着目し選びとったという点において、「フランス的」意匠であるということに間違いはありませんが、同時に19世紀のフランス古陶器を象徴するオクトゴナルの陶器にあってすら、(意匠の細部に至るまで)イギリスが始点にあったということには、同国の影響力の強さを感じずにはいられません。

フランスと比べても、イギリスは数十年以上早く工芸の産業化が行われたと言われます。パリではロココ様式のパリのポントシューが持て囃されていた頃に、背面には高台的な仕様すら加え、実直で無駄のない作陶していた、18世紀後期イギリスの近代性には驚かされます。

「目」と「手」で純粋に惹かれるということが常に先に在るようにしたいと思っていますが、そうして選びとった古い物々の生産背景を深掘りして読み解いたときに、似た雰囲気を纏っていたとしても、数十年の時代の違いと文化的連続性が隠れていたりすることは興味深いし、蘊蓄の細部からこそ朧げながらも垣間見えてくる、携わった陶工やモデラーといった職人たちの意思や想いに、想像的に共感し心を寄せていきたいとです。

近代フランス前夜の囁き、近代イギリスの革新的探究心。

 


 

W25 × D23.2 × H2cm

(ご売約済)

Related posts

テキストのコピーはできません。