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Items / Pottery

Plat Octogonale du Nord

 

八角という造形に、自然美を抽出しパターン化させ、左右相称に描いた薄藍による細やかな手彩文様。自然さえも人工的に形式化させようとした、17世紀以来のフランス的美意識の発露を垣間見ますが、他方で灰みを帯びた鉛錫釉の調子と全体に走る貫入には、土地の気候風土が生んだ民陶ならではの作為のない(できない)有機的な大らかさがあります。

思想は希釈されながら僅かに残り、けれど何よりも先立って日常の生活道具としての役割が在る。

その「具合」を心地よいと個人的には感じます。

パリの蚤の市で見つけたとき、すでに大胆にひび割れていました。業者のマダムに尋ねてみたところ、状態の良いものとそう変わらない価格だったこともあり一頻り悩みましたが、治し継がれた姿を既に思い浮かべてしまっており、そのイメージに抗うことはできませんでした。

1年越しに現実に仕上がった器。当時の判断はやはり間違っていませんでした。

寸法も中庸で使いやすく、食卓に馴染み映える1枚だと思います。
フランス北部。18世紀。日本での漆継ぎ。

 


 

W31 × D24 × H4cm

背面が焼成により膨らんでおり、完全な平にはなっていません。
触れると多少のぐらつきを感じますが、触れなければ静止する、気にならない程度のものです。
ご了承のうえ、注文をお願いいたします。

(ご売約済)

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