Item / Pottery

Poêlon Provençal en Terre Cuite

 

20世紀初期頃、南フランスの小さなポワロン(ポワレ鍋)。

古くは近世初期に銅製で作られるようになり、調理方法のポワレの語源ともなり、19世紀頃にはフランス各地で耐火製調理器具として陶器で作られ、市井の人々にも普及し親しまれた、いわゆる現代の片手鍋です。

大きなサイズではお粥やオムレツを作り、今回紹介のような小さなサイズは製菓用にも好まれたそうです。また以前にフランスの地方の博物館で、陶工が同手の器を顔料容器としている古い時代の写真を見かけ、成程と相槌を打ったことも覚えています。今も昔も変わらず、片手持ちが馴染む場面はありますね。

雑器であることに加え、直火使用されたことから、欠損していることも多い種類の器ですが、背面に僅かに火にかけた跡はありつつ、全体としてはごく良好な状態です。

時代はそうありませんが、寧ろ民陶ならではの器としての気のおけない朗らかさが魅力だと思います。洋の佇まいながら、和のしつらえに自然と溶け込みそうな渋みある施釉にも惹かれました。小ぶりな寸法は食卓の変わり鉢として取り入れたら、きっと素敵だと思います。

 


 

ハンドル含む幅25 / 径18.5 /丈6.5 センチ

(ご売約済)

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