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Items / Pottery

Digoin Sarreguemines Petit Pichet 11.4cm

 

1920年代頃、ディゴワンの水差し。高11.4センチ。

さまざまな寸法で存在する、この時代のディゴワンを象徴するカタチの1つでもある水差しですが、殊にこの寸法にこそ狙いを定めて普段から探しています。

実はドリップコーヒーを淹れるのにぴったりなんです。個人的に似た手を愛用しており、もう少し大きめの造りが一般的ですが、この小ぶりな寸法にしかない魅力を感じています。

ディゴワンらしい柔らかな施釉と実直な作陶感。古物としての厳しさや強さというよりは、道具としての柔らかさや、ある種の弱さに心地よさがあり、雑味の少ない造形と収まりのよい寸法で、日常生活に自然と馴染んでくれる器だと思います。

さり気ないですが、それが良い。目に留まる方がいらっしゃいましたら。

 

Digoin Sarreguemines (ディゴワン サルグミンヌ)

1790年、フランスとドイツの国境の町サルグミンヌに開かれた窯は、1870年代に、当地がフランス領からドイツ領となり陶器に莫大な輸出税が掛かるようになったことを受けて、元々陶器文化が栄えていたブルゴーニュ地方にある町ディゴワンに新しい窯を構えました。

経営においては幾度かの変遷を経ながら、両窯共に、20世紀を通して稼働し続けました。サルグミンヌ単独経営の時代の作陶品としては、貴族や有産階級を主な顧客とした繊細なファイアンスフィーヌが知られます。ディゴワンとの二拠点体制となった19世紀末頃からは、少しづつ大衆化していき、機能的で実直な陶磁器を作陶しました。

地図(Click!

 

Terre de fer (テールドフェール)

技術的・技法的というよりは、商用的な言葉としての側面のほうが強いため語義は多岐にわたり、厳密な定義付けをすることは難しいですが、1800年代初期までの繊細なファイアンスフィーヌ陶器の少量生産を経て、1800年代半ば以降に台頭する市民社会に向けて量産されるようになった、より実用的で磁器質の強い陶器(半陶半磁器)のことを指してフランス語では「テールドフェール」と呼びます。

それ以前の陶器に比べると、主原料である粘土に磁器生産に使われるカオリンや長石がより多く加えられ、釉薬はホウ砂が主原料となっています。

生産者の手跡が残る不均一な施釉や石膏型の寸法差異、或いは経年による貫入。そうした古い陶器ならではの不安定さと、ある程度量産化が整備された時代の陶器ならではの実直さの双方が同居した、過渡期的な均衡は、今の暮らしに溶け込んだときに、無理のない心地よさを生んでくれるように思います。

クレイユエモントロー、ショワジールロワ、ジアン、サルグミンヌ等々。当時のフランスにおける陶器製造の中心にいた様々な陶磁器窯で、多様なテールドフェール陶器が作られました。

 


 

奥行き13 / 口径9.6 / 高11.4 センチ

(ご売約済)

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