Item / Pottery

Petite Couvercle en Grès

 

19世紀、ロワール川近郊。

砂岩を含有した粘土を用い焼成した特徴的な製法はフランスでは「グレ = Grès」と呼ばれます。砂岩製の陶磁器、あるいは炻器(ストーンウェア)の一分類とも捉えられると思います。

主たる作陶は素地の吸水性の低さを生かした瓶、水差しといった液体容器です。殆どが無文。黒、灰、茶、赤みかかった黄といった落ち着いた彩度に、気泡やムラといった化粧景色の自由さも相まり、佇まいには日本の民陶にも通じる印象を受けます。

今回紹介の品は、食法保存瓶の蓋だったものです。

寒い冬の時期を主としてカーヴ(地下倉庫)で食料の長期保存をすることは、古くからの慣習に則ったものですが、保存容器の蓋部を陶製で作るということは多くはなく、作りとしてはとても珍しいです。特にここまで小さなものは初めて見ました。

ちいさな菓子皿に見立てたり、香を焚くときの香立てのようにしてお使いいただいても、きっと素敵ですね。クッキーのようで美味しそうで、より古い油彩画にも描かれそうな素朴なニュアンスも纏った、魅力的な雰囲気の古陶器だと思います。

 


 

約 φ9.5cm

個体A、B、C、Dよりお選びいただけます。希望の個体を備考欄に書き添えください。
個体Aは剃りがあり、平面に置いた際に多少のぐらつきがあります。

個体A → 在庫あり
個体B、C、D → 売約済

(ご売約済)

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