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Items / Pottery

Plateau en faience blanche

 

健やかな古手のテールドフェール。19世紀の白釉トレーです。

こんな器があったのか、と思われる方も多いのではないでしょうか。とても珍しいカタチですね。端正で実直な施釉とモデリング、仄かな貫入と古色。リムの削げすら愛らしい。希少性への躍る心も含め、古いフランスの半陶半磁器の魅力が詰まった一品だと思います。

直径33センチ。受け皿としての実用性も嬉しいです。

季節の果実を添えて。ティータイムのセッティングにも。用途は幅広いと思います。

刻印がなく窯は不明ですが、ノルマンディーのブルジョワの邸宅からのうぶだし品。
背面のバックスタンプは、屋敷の主人が窯に依頼をして捺印したものです。

目に留まった方、いらっしゃいましたら。

 

 

Terre de fer (テールドフェール)

技術的・技法的というよりは、商用的な言葉としての側面のほうが強いため語義は多岐にわたり、厳密な定義付けをすることは難しいですが、1800年代初期までの繊細なファイアンスフィーヌ陶器の少量生産を経て、1800年代半ば以降に台頭する市民社会に向けて量産されるようになった、より実用的で磁器質の強い陶器(半陶半磁器)のことを指してフランス語では「テールドフェール」と呼びます。

それ以前の陶器に比べると、主原料である粘土に磁器生産に使われるカオリンや長石がより多く加えられ、釉薬はホウ砂が主原料となっています。

生産者の匂いが感じられる不均一な施釉や経年による貫入といった古い陶器ならではの不安定さと、ある程度量産化が整備された時代の陶器ならではの実直な佇まい。双方が同居した過渡期的バランス感覚は、今の暮らしに溶け込んだときに、無理のない心地よさを生んでくれるなと感じています。

クープランの定番品です。

クレイユエモントロー、ショワジールロワ、ジアン、サルグミンヌ等々。当時のフランスにおける陶器製造の中心にいた様々な陶磁器窯で、多様なテールドフェールの器が作られました。

 

 


 

<Item Information>

サイズ: φ32 × H3.3cm

(ご売約済)

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