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わからない愉しさと美しさ

 

マチエールがステップを刻む。えも言われぬ施釉の表情と、全体を構成する優美を整えたモデリング、刻まれた古色。

出自不明。ファイアンスフィーヌの作陶技術を基盤に持ちながら、同時により伝統的なファイアンス陶の要素も取り入れ、けれど目指す先は、やがて確立される新時代の半陶半磁器にある気がする。現代的フランス工芸史観では焦点が定まらない浮遊感を、現代的価値観に即した美意識が統御している。必然なのか、偶然なのか。

散りばめられたヒントから、フランス中部、アルボラス・グリニー辺りでの作陶を推測しているけれど、確証はまったくない。やっぱり古物は奥深く愉しい。

 

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