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近世西洋、青の陶器

 

白の錫釉陶器と存在を対にするようにして、ヨーロッパ大陸の一部地域や窯において青の陶器が作られました。

16世紀、イタリア半島のマヨリカ焼きに端を発し、ペルシアから輸入された酸化コバルトを主たる顔料にして、同地域のラピスラズリを思わせる濃青色の陶器、或いはシリアやエジプトの中東ガラスを憧憬しながら、各国・地域で独自に発展と変容をしたとされます。東洋の影響が色濃い白錫釉の器々とは異なるニュアンスを纏った古陶です。

大ぶりな寸法は18世紀、スペイン製。同じ青でも、彩度や肌合いから生じる気配には、イベリア半陶気質とも呼びたくなる、どこからかギターの音色が聴こえてくるような朗らかな風通しのよさを感じました。

小さめの寸法は17〜18世紀、フランス製。青に青を重ねるという珍しい手法は上品で、節度があります。拙く素朴な筆遣いは、西洋の古典装飾を感覚的に紡ぎ合わせたような趣きで、やわらかな抽象性に心惹かれました。傍らでリュートを爪弾いてほしくなる佇まいです。確たる根拠は持てていないのですが、ルーアン焼きということを伝え聞いています。ヌヴェール焼きの青の陶器とも近しい雰囲気です。

ルネサンス期以来の慣例として、時代を問わず、主には白色や金色の絵付けによる装飾が施されることが常でしたが、何れも雑味がなく、シンプルで現代的な佇まいのアルバレロ(薬草壺)。技法の美質も一層顕著に現れでており魅力的です。

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