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家内製窯業のほとりに佇む

 

親密なフォークロワ。テラコッタ製の鳥型シフレ(笛)です。

ヨーロッパ各地で、古くは中世の頃から窯仕事の合間をみて、土産物や玩具の1つとして陶製の笛は造られ続けてきました。そこに専門性があったことは少なく、製作は本業を終えた日暮れ以降に行われることが常だったそうです。鋳型の製造を除けば力仕事ではないことから、盛年の男性は除き、女性や高齢者、加えて母に教わった子供たちが作業に携わり、笛の販売は僅かながらも家計を助ける副収入でした。

何百年、脈々と受け継がれてきた家内製窯業のサイクル。
そのほとりに佇むささやかな小鳥に、そっと心癒されます。

写真の一羽はフランス西部より。1900年初期頃、シャラント=マリティーム。

 

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