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古いものを長く使い続けるヨーロッパには、文化の影を残した古物が未だに残っています。長い時間を経て今の時代まで残っていた古物が昔を知る頼りになり、そうして知った昔が今をほんの少し豊かなものにしてくれる。暮らしの道具として、ただ眺めるものとして、知識の源泉として。様々な角度から古物をお楽しみいただければと思います。
Assiette en Faience de Moustiers/Varages
18世紀後期のプロヴァンスより。ムスティエ・ヴァラージュ、藍の輪線文リム皿です。食卓に馴染みながら、全体をすっと引き締めてくれる無理のない緊張感が、こうした線描皿にはありますね。シンプルな造形で、しつらえの和洋を問わない魅力もあります。
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Assiette en Faience de Moustiers/Varages
一般的に知られる白釉と比べると仄かに青磁のようなニュアンスを帯びており、どこか東洋の陶器にも通じるような滋味は、食卓のしつらえの和洋も問わないだろうと思います。18世紀半ば頃、プロヴァンス。
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Pexonne Plat Rond 30cm
上品でやさしテールドフェール陶器。この時代のフランスにおけるマニュファクチュアとしての過不足を感じない、気持ちの良い一品です。1900年前後頃、ペクソンヌ窯
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Petit Pot en Terre Cuite Vernissée
プロヴァンスの黄釉陶器としては落ち着いた彩度に、垣間見えるさらりと流れるような緑釉の一筆文様の控えめな印象に惹かれました。20世紀初頭頃、プロヴァンスのちいさな保存壺です。
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Creil et Montereau Plat Oval 28cm
端正な焼成とエッジの効いた上品な造形には、ならでは美質があります。19世紀後期〜20世紀初頭頃、クレイユ エ モントローのオーバル皿です。
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Digoin Sarreguemines Assiette épaisse
修道院や宿舎といった公的な場所の食堂で日常使いされた半陶半磁の厚皿。フランスのテールドフェールらしい柔らかな肌合いに、質実剛健を感じるタフな佇まい。相反する要素を合わせ備えた塩梅のよさこそが魅力ですね。1920年代頃、ディゴワン・サルグミンヌ。
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Badonviller Assiette épaisse
修道院や宿舎といった公的な場所の食堂で日常使いされた半陶半磁の厚皿。フランスのテールドフェールらしい柔らかな肌合いに、質実剛健を感じるタフな佇まい。相反する要素を合わせ備えた塩梅のよさこそが魅力ですね。1920年代頃、バドンヴィレ。
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Assiette en Faience fine/Creamware
やわらかな象牙のマチエールに、古典建築を想起させる装飾リム。伝統的な西洋工芸固有の気配を纏いながら、絢爛になり過ぎることのない控えめな印象で今の時代との親和性も感じます。1800年代初頭頃の軟陶皿。
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Lèchefrite en terre cuite
素朴で雰囲気ある茶釉の表情に、ぐっとこちらを惹きつける存在感は王道然としています。当時の庶民の暮らしぶりを想像したくなる、西洋らしい古陶器です。レッシュフリットの名で知られる調理用の耐熱皿。
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Art Populaire sur Faïence
確固たる様式美は、フランスの錫釉陶器がもつ魅力の一つですが、寧ろ寧ろ民衆芸術としてのパーソナルな気配こそを一層つよく感じます。18世紀、フランス地方部のささやかなフォークロア。
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Cul Noir pour Calvados
カルヴァドス盃を主な用途として想定し造られたものだろうと考えています。19世紀末頃、ノルマンディー地方より、簡素な佇まいが好ましい、掌に収まる程にちいさな筒形のキュノワール。
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Creil et Montereau Grand Pot à Contiture
雑味のないミニマルな造りが好きで、見つけたときには仕入れるようにしています。バルリュエ社、1876〜1884年頃。クレイユエモントローのコンフィチュールポットです。
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Plat en Faience fine 1800-1830
実直な焼成と、彩度を抑えたシックな象牙色。錫釉陶器のようにかなりたっぷりとした施釉が、ぐっと渋みある雰囲気を生んでいます。1800年代初頭、ファイアンスフィーヌの大皿。
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English Ironstone Lim Plate
柔らかな半陶磁にはしる貫入と仄かな染まりは無理がなく、甘手ですが硬質で実直なニュアンスも湛えてします。フェザーリムに藍の輪線という18世紀以来のクラシックを踏まえつつ、浮き彫りのコントラストが控えめで、気のおけない佇まい。1900年頃、英国製のリム皿です。
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Digoin Sarreguemines Petit Pichet 11.4cm
さまざまな寸法で存在する、この時代の窯を象徴するカタチの1つでもある水差しですが、殊にこの寸法にこそ狙いを定めて普段から探しています。1920年代頃、ディゴワンの水差し。高11.4センチ。
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Digoin Sarreguemines Plat Oval 30.5cm
道具としての柔らかさや、ある種の弱さ。現行品にはない色気をそこはかとなく纏いながら、肩肘張らず安心して向き合える古陶。こういう器こそ、何の気なしに食器棚から日々手に取ってしまいます。1920年代頃、ディゴワンのオーバル皿。
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DIgoin Sarreguemines Assiette épaisse
フランスのテールドフェールらしい柔らかな肌合いに、質実剛健を感じるタフな佇まい。相反する要素を合わせ備えた塩梅のよさこそが、この種の厚皿の魅力でしょう。修道院や宿舎といった公的な場所の食堂で日常使いされた白釉厚皿。
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Chantilly Assiette Dessert Octogonale
個人的には殆ど見た記憶がありません。デセール寸法のシャンティィ。革命前のポントシュー製陶所を軸とした作陶初期の貴族性と、革命後のクレイユやモントローを軸とした作陶最盛期のブルジョワ性との狭間で、二世代を「橋渡し」をするかたちで、ごく短期間に存在感を示したファイアンスフィーヌ。
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Pichet a huile de Dordogne/Périgord
フランス南西部内陸、ペリゴールより。飾り気はなく、全体の印象は粗野で素朴。例えば同じ南フランスの明朗快活としたプロヴァンス気質とは異なる、どこか内向的で静かな気配を纏った19世紀の油差しです。
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Vire-Omelette Provençal
19世紀のプロヴァンスより、オムレツ皿。調理時には蒸し焼き蓋とし、仕上がりひっくり返したときには盛り付け皿とできるよう実用的に設計されたヨーロッパ南西部の伝統的な民陶。
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Plat en Val de Loire
フランス中央部、ロワール川近郊で、より田舎的で素朴な土地の陶芸に、近代的で端正なスタイル(北方、キュノワールであったりの影響)を取り入れて、19世紀に作陶されたものだろうと考えています。アールポピュレールの魅力が詰まった赤褐色釉の大皿。
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Bordeaux Tasse Blanche
すんっとした佇まいに手仕事を感じるハンドルの造形となめらかなテールドフェールの乳白。19世紀後期、ジュール・ヴィエイヤール社ボルドー窯のデミタスカップです。
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Plat en Faience de Moustiers/Varages
ムスティエ・ヴァラージュより。その装飾様式・技術は、17世紀以来、戦争により不足した銀の代用品として王侯貴族のための食器を手がけるなかで発展したことは知られいるところですが、当時の窯々を象徴するリム装飾の一品です。18世紀、プロヴァンス地方。
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Plat Oval en Faience de Salernes
雑味のないシンプルな造形にまろやかで瀞みある釉調。19世紀初期、南フランス。ムスティエ、ヴァラージュ近郊にあった小さな村、サレルヌで作陶された白錫釉のオーバル皿です。
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Gien Plat Carré 1871-75
古手半陶半磁器/テールドフェールの一層ゆららかさを感じる釉調。上質陶器/ファイアンスフィーヌの美質であった陶胎の薄さや釉の高い透明度により実現した緊張感を一定引き継ぎつつ、プロダクトとしての実直なやさしさも内包した、過渡期的な魅力を纏った一品。1870年代、ジアンの白釉角皿。
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Gien Théières 1871-75
比較的古手のテールドフェール陶器の一層ゆららさを感じる釉調には雰囲気があり、19世紀のフランスならではの美意識が漂う緊張感があり彫刻的な一品ですが、装飾性は最低限に抑えられており、楚々とした佇いで華美な印象は持ちません。1870年代、ジアンの白釉テイエール。
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Creil et Montereau Octogonal Compotier
20世紀初頭、クレイユ・エ・モントロー。モントロー製陶所。シリーズ陶器としてリリースされていたオクトゴナルモデルのバリエーションの1つより、脚付きのコンポティエ。
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Leeds/Rörstrand Gathers lim Plate
造りの真面目さと細やかなギャザーに漂う品格が、絢爛さをおおらかに包み込みます。英国のリーズ、或いはそれを模倣した最初期のスウェーデン、ロールストランドより。1700年代後期。
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Bylon Carouge Assiette Octogonale
多様な造りが見られる古手のオクトゴナル皿より、現在のスイス連邦・ジュネーヴ州のジュネーヴ郊外南、北イタリア文化の影響が色濃く残る小さな街カルージュで作陶された一品。19世紀初期〜半ば頃。
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18th Century Loza Catalonia
18世紀スペイン、カタルーニャ近郊の錫釉陶器です。さらさら描ききったように思わせる全体と、一歩踏み込んで眺めると仄かに垣間見える稚拙な細部。腕と指に仕事を染み込み覚えさせたであろう陶工こそが生み出せる、作為や構えのない自由さ。土地の気候風土と暮らしが育み生んだ自然な筆触に心惹かれます。
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Plat Oval de Cul Noir
柔らかな赤褐色や淡黄色の陶土を素地として、表面を透明な錫釉により白や灰色に、背面を酸化マンガンを含む釉薬により濃度を調整しながら飴色や漆黒に焼成させた、フランスの古民芸品キュノワール。食卓の設えの主役となるオーバル皿。
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Plat en Faïence décor Camaïeu Blue XVIIIème
18世紀初期、フランス南西部。トゥールーズ近郊で作陶されたと思しき色絵皿。たっぷりとした鉛錫釉は18世紀の南仏ファイアンスに通底する美質ですが、広く知られているムスティエ(ヴァラージュ)焼とはまた異なる気配があります。
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Assiette en Faience de Moustiers XVIIIème
細やかなギャザー装飾に、ほんのごく僅かな朱を帯びた、まろやかで瀞みある白錫の釉調。穏当でおおらかなエレガント。ムスティエ古陶器独自の美観を備えた、美しい一品。
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Vire-Omelette Provençal
緩やかで牧歌的な作為ない筆模様に、落ち着いたニュアンスの赤褐釉というのもぐっと心惹かれました。1900年前後頃、プロヴァンスのスリップウェア。オムレツ皿。
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DIgoin Sarreguemines Petit Bol a Café
フランスでメゾンを訪れて仕入れた1920年代頃、ディゴワンのちいさなカフェオレボウル。デッドストックで相当数があったなかから吟味して、状態よしと判断した個体をすべて纏めて譲ってもらいました。日常に寄り添う西洋の古い器としては最良のカタチの1つと感じます。
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Plat en Faience Blanche Patiné
半陶半磁のやわらかなテクスチャーと全体の細かな貫入に滲み生まれた時間の足跡。パリの骨董屋で見つけ、古色の具合に惹かれ迷いなく手にとりました。1900年頃、サルグミンヌ製陶所。
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Plat Oval en Faience Blanche Patiné
一にも二にも、見込みに残された古色に惹きつけられて手にした皿です。無数に刻まれたカトラリー痕と、その傷跡から染み込んだだろう料理の滲みが、かつての生活の気配をありありと今に伝えます。1920〜50年頃、ディゴワン・サルグミンヌ。
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Plat en faience fine de Lorraine
フランス東部、恐らくはロレーヌ公国領リュヴィル、或いは近郊からの出物と考えられます。パリのポントシューとは異なる文化を築いた、テール・ド・ロレーヌとも呼ばれる1800年頃のファイアンスフィーヌ。素朴さを得た穏当なノーブルが、現代の食卓にも心地よく溶け込みます。
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Tisanière en Terre Cuite Vernissé
さて、取手脇のまるで貯金箱のような細長い穴は一体なんでしょうか? 正解は。枝付きティザンヌ(ハーブ)の差し込み口です。 朗らかで風通しよいフランスの地方民芸品。19世紀、ブルゴーニュで作陶されたティザニエール。
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Plat Cul Noir
柔らかな赤褐色や淡黄色の陶土を素地として、表面を透明な錫釉により白や灰色に、背面を酸化マンガンを含む釉薬により濃度を調整しながら飴色や漆黒に焼成させた、フランスの古民芸品キュノワール。中庸な寸法、食卓の設えの主役となる深型皿です。
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